マックス・プランク(1858~1947年)は「量子論」を確立したノーベル賞物理学者として知られています。また、相対性理論や電磁波の研究にも貢献し、現代物理学の父とも呼ばれます。このプランクは、宗教と科学の関係について、次のように語っています。
宗教と科学の間に真の対立は存在しない。一方は他方を補完するものだからだ。まじめで思慮深い人なら誰でも気付くように、人が持つすべての力を完璧なバランスと調和をもって働かせるには、自分の性質にある宗教的な要素を認識し、育まなければならない。そして実際、あらゆる時代の最も偉大な思想家たちが宗教深い人々であったのは、偶然のことではない。
Max Planck, Where is science going? (ed. 1933)
また、プランクは次のようにも語っています。
どこを見ても、どこまで見ても、宗教と自然科学の間に矛盾を見いだすことはできない。それどころか、決定的に重要な点では、完全に一致する。宗教と自然科学は、同時代の多くの人が信じたり恐れたりしているように、相容れないものではない。この2つは相互に補完し合い、条件付けし合っている。宗教と自然科学が両立することを示す最も直接的な証拠は、最も厳格な批判的検討を行ったとしても、史上最も偉大な自然科学者と言えるケプラー、ニュートン、ライプニッツといった人々が、最も深い宗教的態度を貫いていたという歴史的事実である。
Max Planck, Religion and Natural Science (1937)
宗教も科学も、神への信仰を必要とする。信者にとって神は初めにあり、物理学者にとって神はすべての考察の最後にある。…前者にとって神は土台であり、後者にとって神はあらゆる一般的な世界観の王冠である。
Scientific Autobiography and Other Papers as translated by F. Gaynor (1949), p. 184 – Religion and Natural Science (1937)
宗教は因果関係の法則の前にある不可侵の領域であり、そのため科学は立ち入ることができない。
Max Planck, Where Is Science Going?, Chapter V (p. 168)
科学、宗教、芸術の明確な切り分けは不可能である。全体は、さまざまな部分を足した合計に等しいという単純な話には絶対にならない。
The Philosophy of Physics (ed. 1936)
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