英語には、聖書に由来する慣用表現がよく出てきます。一見わかりにくい慣用句も、聖書を理解すると腑に落ちるということが少なくありません。そこで、今回は「apple of one’s eye」という聖書由来の慣用句を紹介したいと思います。
この言葉は「その人にとって非常に大切なもの」という意味で、申命記32:10の記述が出典です。
申命記32:10
英語(NIV)
10 In a desert land he found him, in a barren and howling waste. He shielded him and cared for him; he guarded him as the apple of his eye
日本語(新改訳2017)
10 主は荒野の地で、荒涼とした荒れ地で彼を見つけ、これを抱き、世話をし、ご自分の瞳のように守られた。
解説
ここでは、神(「主」)がイスラエルの民を大事に思っていることを表現する言葉として「apple of one’s eye」が使われています。日本語の「目の中に入れても痛くない」に相当する表現ですね。聖書の中でイスラエル(ユダヤ)民族が占める重要性がわかる言葉です。
使用例
I used to be the apple of my teacher’s eye until he caught me cheating on a quiz.
― Oyster English, “Idiom: Apple of someone’s eye” (https://www.oysterenglish.com/idiom-apple-of-someones-eye.html)
私は先生のお気に入りだったんです。小テストでカンニングがバレるまでは。
参考:白井俊雄『英米人のものの見方を理解するための教養の英語』(ベレ出版、2013年)