アンリ・ファーブル(Henri Fabre, 1823~1915年)はフランスの博物学者で、昆虫の行動研究の先駆者として知られています。代表作『昆虫記』は多くの人々の愛読書となりました。
カトリック信者だったファーブルは、進化論に対して強い反対意見を持っていました。『昆虫記』の中でも、再三そのことに触れています。ファーブルはチャールズ・ダーウィンと親交があり、ダーウィンもファーブルを「たぐいまれなる観察家」と高く評価していましたが、ファーブルが進化論への批判をやめることはありませんでした。ダーウィンはファーブルの研究を引用することがたびたびありましたが、ファーブルは引用元のダーウィンの理論に反論しています。
ファーブルは、生涯をかけて自然を研究してきた結論として、創世記に登場する動物の種は固定されて変化していないと主張し、次のように語っています。
私たちは、秩序と調和を創造され、支えておられる、主権を持った知性がおられるに違いないと宣言せずにはいられない……創造主である神の栄光のために。
We cannot refrain from proclaiming the necessity of a sovereign Mind, the creator and instigator of order and harmony…to the glory of God the Creator.1
ファーブルに関する記事を書いたジェリー・バーグマンは、ファーブルの言葉を引用して次のように記しています。
ファーブルは、あらゆる時代に「その時々の科学ブームがあった」と述べ、「今はそれが進化論である」と指摘している。生物の自然発生説がもてはやされた時代があったが、「パスツールが、腐敗物の塊の中で化学的作用によって生命が生じるという狂気を永遠に打ち砕いたではないか」と語っている。
Fabre observed that every period of history has had “its scientific craze; to-day it is evolution.” At one time it was spontaneous generation, but “Pasteur exploded forever the insanity which professed to see life arising from a chemical conflict in a mass of putrescence.”2
ファーブルは、神への信仰と無神論について次のような言葉を残しています。
神なしには何も理解できない。神なしにはすべてが闇だ。…どの時代にも狂気がある。私は無神論を狂気とみなしている。それは時代の病である。私から神への信仰を取り去るより、私の皮膚をはぎ取る方がたやすいだろう。
Without Him I understand nothing; without Him all is darkness . . . every period has its manias. I regard Atheism as a mania. It is the malady of the age. You could take my skin from me more easily than my faith in God.3
> 参考資料参考資料
- Henry M. Morris, Men of Science, Men of God (Master Books, 1988)
- Jerry Bergman, “Jean-Henri Fabre: Anti-Evolutionist French Scientist,” Institute of Creation Research
- Wikipedia「ジャン・アンリ・ファーブル」
> 脚注脚注
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Fabre, Life of Jean Henri Fabre, 8-9. ↩
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Jerry Bergman, “Jean-Henri Fabre: Anti-Evolutionist French Scientist,” Institute of Creation Research ↩
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Henry M. Morris, Men of Science, Men of God (Master Books, 1988) ↩
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