この言葉は「柔和な者は幸いです」と訳され、イエス・キリストの「山上の垂訓」に出てきます。マタイ5:5が出典です。
マタイ5:5~6
英語(NIV)
5 Blessed are the meek, for they will inherit the earth.
6 Blessed are those who hunger and thirst for righteousness, for they will be filled.
日本語(新改訳2017)
5 柔和な者は幸いです。その人たちは地を受け継ぐからです。
6 義に飢え渇く者は幸いです。その人たちは満ち足りるからです。
解説
イエスの「8つの幸い(八福)」の教えの3つ目と4つ目になります。8つの幸いの「幸い」は、「幸せ(happy)」とも訳せる言葉です。そのため、「8つの幸せの教え」と言い換えた方がわかりやすいかもしれません。
この箇所の「meek」は、あまり聞き慣れない英語ですが、「おとなしい、柔和な、従順な」という意味です。現代の競争社会ではあまり良い意味に取られないかもしれませんが、幸いな人の特徴の一つとされています。
「柔和な者」とは、弱い人のことではなく、静かな中に神への揺るぎなき信頼を持っている人のことです。そういう人は、自己弁護から解放されているので、人と言い争う必要がなく(その最高のお手本は黙って十字架の死に向かわれた主イエス)、神から多くのものを委ねられます。
「義に飢え渇く者」とは、モーセの律法によって示された「神の義」に従うことを求めている人です。常に神との関係を第一にしている人であり、そういう人は、肉体的な満たしだけでなく精神的、霊的満たしを体験することが説かれています。
参考資料
- 白井俊雄『英米人のものの見方を理解するための教養の英語』(ベレ出版、2013年)
- 中川健一メッセージシリーズ『マタイの福音書』(https://message-station.net/episode/cat_episode/matthew/)