クリスチャンではなくても、意外な人がキリストや聖書についての言葉を残していることがあります。ナショナル(現パナソニック)創業者の松下幸之助は、キリストについて次のように語っています。
自分に全く関係ないところで、自分に全く関係ないと思う事が起こって、だから自分には全く責任がないと思うことでも、よくよく考えてみれば、はたして自分に全く責任がないと自信をもっていうことができるであろうか。人と人とが、かぎりないまでにつながりあっているこの世の中に、自分とは全然関係ないといえることが、本当はあるとは思われないのである。キリストは、その時代の見も知らぬ人びとの責任も、すべてわが身に負い、そのうえに、後の世につづく数知れぬ人びとの責任をも、その気高いまでの魂で、一身に引きうけた。おたがいに、そこまで求めるのはとてもムリ。キリストなればこそである。しかしせめて、自分に責任あると思うことまでも、他人のせいにすることだけはやめにしたい。
松下幸之助『道をひらく』(PHP研究所) Kindle版