ニコラウス・コペルニクス(天文学者)

ニコラウス・コペルニクス

ニコラウス・コペルニクス(Nicolaus Copernicus, 1473~1543年)は、ポーランド出身の天文学者です。晩年に『天球の回転について』を著し、当時主流だった天動説を覆す地動説を唱えました。コペルニクスは、プロイセンのヴァルミアという町で律修司祭(大聖堂の運営を担う祭司)の職に就くことで、生活の保証を得て研究を続けました。

コペルニクスは、1503年にフェラーラ大学でカノン(教会法)の博士号を取得した際、博士論文に次のように記しています。

宇宙は、この上なく良き方、秩序ある創造主によって、私たちのために造られた。

“The Universe, wrought for us by a supremely good and orderly Creator.”1

コペルニクスは、哲学者の役割について次のように記しています(この「哲学者」には当時「自然哲学者」と呼ばれていた科学者が含まれる)。

哲学者の思考は、一般人の判断に委ねられるものではないと承知している。なぜなら、哲学者の努めは、神が人間の理性に許された範囲で、あらゆる物事の中に真理を探し求めることだからである。

“I am aware that a philosopher’s ideas are not subject to the judgment of ordinary persons, because it is his endeavor to seek the truth in all things, to the extent permitted to human reason by God.”2

この発言から、コペルニクスは神に与えられた理性があるので、人は真理を探究できるという信念を持っていたことがわかります。

また、コペルニクスは、科学的探求は神の礼拝の一つであると認識し、次のように語っています。

神の力強いみわざを知ること、神の知恵と威厳と御力を知ること、神の法則のすばらしい働きを理解すること、これらすべてがいと高き方に喜ばしく、受け入れられる礼拝であるはずだ。この方にとって、無知が知識よりも良きものになるということはない。

To know the mighty works of God, to comprehend His wisdom and majesty and power; to appreciate, in degree, the wonderful workings of His laws, surely all this must be a pleasing and acceptable mode of worship to the Most High, to whom ignorance cannot be more grateful than knowledge. 3

コペルニクスは、科学的探求を、自然界に現れた神のみわざを知ることと位置付けていました。この姿勢は、近代科学の礎を築いた初期の科学者に共通するものです。

参考文献

脚注

  1. Early astronomers: ‘Mathematics is the language in which God has written the universe’,” World Tribune, 26 Aug 2018

  2. Early astronomers: ‘Mathematics is the language in which God has written the universe’,” World Tribune, 26 Aug 2018

  3. “Poland: The Knight Among Nations”. Book by Louis E. Van Norman (p. 290), 1907; later quoted in “The Language of God: A Scientist Presents Evidence for Belief”, book by Francis Collins (pp. 230-231), 2006. (https://www.azquotes.com/quote/575512)

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