2テモテ4：7～8
私は勇敢に戦い抜き、走るべき道のりを走り終え、信仰を守り通しました。
あとは、義の栄冠が私のために用意されているだけです。その日には、正しいさばき主である主が、それを私に授けてくださいます。私だけでなく、主の現れを慕い求めている人には、だれにでも授けてくださるのです。
今日の霊想：ほうび
ディオニシオス一世（BC430? ～ 367）は、一般民衆や傭兵（ようへい）に人気があって、紀元前 405 年には民から選ばれてシチリア島の全権将軍となり、事実上の王となった。その後彼は、3 度にも及ぶカルタゴの侵略に対して戦い、闘いのなかで死を迎えるほどの苦労をした。平和の時には、文芸を好む王のもに、ギリシア世界から多くの哲学者や芸術家が訪れ、王の庇護を受けた。
あるとき王は、旅の竪琴士に演奏を求めた。
「私を楽しませてくれ。すばらしい演奏を聴かせてくれたらほうびをとらせる」
竪琴士が一生懸命に演奏する美しい音楽を聴き、王は大変満足した。その様子を見て楽師は、王からきっと多額の褒美（ほうび）が出るにちがいないと期待した。だが、いつまで待ってもいっこうにその気配がなかった。そこで次の機会に、彼は褒美のことを王にねだった。
「ああ、忘れてはおらん。だが私がそのほうの演奏を楽しんでいた間、そのほうも私からの褒美を期待して楽しんでいたであろう。お互いそれで十分楽しみあったからいいではないか」
そう言ったきり、王は何も出さなかった。
人からの褒賞を期待しても、思い通りに行かないことがある。しかし、神に信頼す者は失望させられることがない。
CD-ROM 版 キリスト教例話集 Ver.5 より
（精選） K.N.
出典：中川健一『月刊デボーションガイドClay【クレイ】2016年8月号』（ハーベストタイムミ二ストリーズ）p.15
ハーベストタイムの中川健一牧師が聖書を詳しく解説するデボーションガイドClay【クレイ】は、こちらで無料公開されています。毎日更新されていますので、聖書を毎日少しずつ学ぶことができます。
