wolf in sheep’s clothing

聖書の英語バナー

英語には、聖書に由来する慣用表現がよく出てきます。一見わかりにくい慣用句も、聖書を理解すると腑に落ちるということが少なくありません。そこで、今回は「wolf in sheep’s clothing」という聖書由来の慣用句を紹介したいと思います。

この言葉は「羊の皮をかぶった狼」「親切を装った危険人物」という意味で、マタイの福音書7:15の記述が出典です。

マタイ7:15

英語(NIV)

15 “Watch out for false prophets. They come to you in sheep’s clothing, but inwardly they are ferocious wolves.

日本語(新改訳2017)

15  偽預言者たちに用心しなさい。彼らは羊の衣を着てあなたがたのところに来るが、内側は貪欲な狼です。 

解説

羊の皮をかぶった狼とは、外見は親切で無害のように見えるが、内面は悪と欺瞞に満ちている人の比喩的表現です。次の例文にあるように、国際政治やビジネスの文脈でよく使われる用語です。

聖書では、親切そうなふりをして近付いてくるが、聖書にはない間違ったことを教えて相手を迷わせたり利用したりする偽教師、偽預言者に対して使われています。

使用例

Rouhani, whose demeanor has been more moderate than that of his predecessor since he took office in August, is “a wolf in sheep’s clothing, a wolf who thinks he can pull the wool over the eyes of the international community,” Netanyahu said.
― Tom Watkins, “Netanyahu: Iranian president is ‘wolf in sheep’s clothing’,” CNN (https://edition.cnn.com/2013/10/01/world/meast/israel-netanyahu-iran/index.html)
(イスラエルの)ネタニヤフ首相は、8月に大統領に就任し、前大統領よりも態度が穏健と言われる(イランの)ロウハニ氏を「羊の皮をかぶった狼、国際社会の目をごまかせると思っている狼だ」と指摘した。

参考:白井俊雄『英米人のものの見方を理解するための教養の英語』(ベレ出版、2013年)

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