申命記18:18~19
18 わたしは彼らの同胞のうちから、彼らのためにあなたのような一人の預言者を起こして、彼の口にわたしのことばを授ける。彼はわたしが命じることすべてを彼らに告げる。 19 わたしの名によって彼が告げる、わたしのことばに聞き従わない者があれば、わたしはその人に責任を問う。
解説
この箇所で言われている「あなた」とは、出エジプトでイスラエルを導いた指導者であるモーセです。神はここで、将来にモーセのような預言者を起こすと約束しておられます。この箇所は、救い主(メシア)の登場を預言したメシア預言の一つです。イエスは、この預言を念頭に置いて、ヨハネ12:48~49で次のように語っています。
48 わたしを拒み、わたしのことばを受け入れない者には、その人をさばくものがあります。わたしが話したことば、それが、終わりの日にその人をさばきます。 49 わたしは自分から話したのではなく、わたしを遣わされた父ご自身が、言うべきこと、話すべきことを、わたしにお命じになったのだからです。
ここでイエスは、申命記18:18~19の預言がご自分によって成就したと語っています。また、使徒3:22~23、26では、使徒ペテロが申命記の預言を引用し、次のように語っています。
22 モーセはこう言いました。『あなたがたの神、主は、あなたがたの同胞の中から、私のような一人の預言者をあなたがたのために起こされる。彼があなたがたに告げることすべてに聞き従わなければならない。 23 その預言者に聞き従わない者はだれでも、自分の民から断ち切られる。』 …… 26 神はまず、そのしもべを立てて、あなたがたに遣わされました。その方が、あなたがた一人ひとりを悪から立ち返らせて、祝福にあずからせてくださるのです。」
26節の「しもべ」とは、イエス・キリストのことです。ペテロは、この言葉をイスラエルの人々に語っていますが、イエスは、イスラエルだけでなく、すべての人の救い主です。このイエスに聞き従う人は、神が約束された救いを受け取るのです。
参考:Commentary by Ray Comfort, The Evidence Bible, NKJV (Bridge Logos Foundation, 2011)