神学は実用的なものなのである。今日においては特にそうである。昔は教育も議論も今日ほど行われなかったので、神に関するごくわずかの単純な観念でおそらく事が足りたのであろう。だが、今はそうはいかない。だれでも本を読むし、だれもがいろんな議論を聞いている。だから、仮にあなたが神学に耳を貸さないとしても、それはあなた方が神について何の観念ももっていないということではなく、むしろ、たくさんの間違った観念――悪い観念や混乱した観念や時代おくれの観念――を持っているということなのである。
C. S. ルイス『キリスト教の精髄』(新教出版社、1977)、P.240