ニコラウス・ステノ(Nicolaus Steno、1638~1686年)は、デンマークの科学者で、地質学と解剖学の分野で多くの重要な功績を残しました。
ステノは、地層のできた順序(新旧関係)を研究する層序学の創始者とされています。層序学は進化論者のツールの一つですが、創始者は創造論に立つキリスト教徒というところが皮肉です。
ステノは、進化論を信じる地質学者とは違い、過去に世界的な規模の洪水(ノアの洪水)があったという前提で地層を解釈しました。また、化石は古代の生物や植物の死骸であることを明らかにし、ノアの洪水によってできたものであると結論付けました。
ステノは、心臓が2つのポンプで構成されていることや、耳下腺の主導管である「ステノン管」を発見するなど、解剖学の分野でも功績を残しています。
ステノは後に修道士となり、神学書を多数著した後、司教となっています。ステノは自然科学に取り組む研究者の心得を次のように語っています。
自然という作品を見ようとせず、他人の作品を読んで満足することは、神の威厳に対する罪である。
One sins against the majesty of God by being unwilling to look into nature’s own works and contenting oneself with reading the works of others. 1
この言葉は、アリストテレスの主張など、古くからある学説を取り入れるだけで、実際に自然を調査してみようとしない学者を批判したものでしょう。
また、ステノは人間の罪深さと、神に寄り頼む必要性について、次のような言葉を残しています。
神の足元で、私たちの罪という汚れた服を捨て去ろう。
Let us at God’s feet, lay aside the soiled clothes of our sins. 2
> 参考資料参考資料
- Henry M. Morris, Men of Science, Men of God (Master Books, 1988)
- Dan Graves, Scientists of Faith (Kregel Publications, 1996)
- Wikipedia「ニコラウス・ステノ」
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