アメリカの初代大統領となったジョージ・ワシントン(1732〜99)の父は、いつも神を畏れて歩んでいました。ジョージがまだ少年だった頃の話です。父は、神の存在をなんとかしてジョージに理解させ、信仰に導こうと考えました。その事を神に祈っているとすばらしい知恵が与えられました。早速、父は裏の畑へいって耕しました。それから花の種を「George Washington」(ジョージ・ワシントン)と息子の名前の通りに蒔いたのです。
やがて芽が出て赤い花が咲きました。花は、「George Washington」という字となって畑に美しい姿を現わしました。ある日、ジョージは裏で遊んでいて、畑に目をやってびっくりしました。なんと自分の名前が畑一面に大きく書かれているではありませんか。彼はお父さんの所に飛んで行きました。
「ねえ、お父さん、大変だよ。裏の畑にぼくの名前の通りに花が咲いているよ。何もしないのに花があのように咲くわけがないでしょう。お父さんがやったの?」
興奮してジョージは聞きました。父はにこにこしながら言いました。
「驚いたか、ジョージ。花がおまえの名前の通りに咲いたのを見て、何もしないのにあんなにうまく咲くはずがないと思っただろう。おまえの名前の通りにお父さんが花の種を蒔いたんだよ。じゃ、考えてみようか。この宇宙はどうだろうか。我々が住んでいるこの地球はどうだろうか。地球が自転しながら太陽の周りをきちんと回ること、地球には引力があること、こういうことが何もしないのにできると思うかい?宇宙も地球も本当によくできているだよ。優れた知恵と力をもつ神様がおられて、そのお方がこの宇宙を造られたと考える方が一番合理的なんだよ」
父の話を聞いてジョージは、創造主なる神のことがよくわかりました。
出典:中川健一『クレイ聖書解説コレクション「エズラ記・ネヘミヤ記・エステル記」』(ハーベスト・タイム・ミニストリーズ、2017年)