淵田 美津雄(旧帝国海軍パイロット。真珠湾攻撃総隊長)

淵田 美津雄

真珠湾攻撃の総隊長を務めたパイロットの淵田美津雄氏は、戦後の追放令によって奈良に帰郷し、農業を始めた時のことを振り返って次のように語っています。

こうして土に親しむうちに、不思議と私の心は、植物や、家畜や、天然の現象を通して、生命の神秘や宇宙の神秘とともに、これらを創られた創造の神の存在を、深く信ずるようになった。そして恃(たの)むべきは自力だけだなどと考えていた自分の不遜さを恥じた。世の友は、すべて私を棄て去ったけれど、ひとり創造の神だけは、私についていて下さって、変らぬ恩寵をもって私をはぐくみ、その恵みの下に私は生かされていることをしみじみと覚えた。……
一般世人は、そんなこと、なんの変哲もない尋常茶飯の事象だと考え易い。また、こうした事象のすべてを太陽のおかげだと信ずるお百姓さんたちは、毎日太陽を拝んではいるが、その太陽をもお創り下さった創造主に思いを致していない。しかし、こうした尋常茶飯の事象を通して、神を懼(おそ)れることを学んだのは、私にとって無上の幸いであった。……
聖書に次の言葉がある。「神を愛する者、すなわち御旨によりて召されたる者の為には、凡てのこと相働きて益となるを我らは知る」(ロマ書八・二八)
しかしこのとき、私はまだイエス・キリストを知らなかった。

淵田美津雄『真珠湾攻撃総隊長の回想 淵田美津雄自叙伝』(講談社文庫)(Kindle 版)

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