ヨブ40:15~24 ― 聖書と恐竜(1)ベヘモット

ブラキオサウルス

ヨブ40:15~24

15  さあ、河馬を見よ。これはあなたと並べてわたしが造ったもの。牛のように草をはむ。 
16  見よ。その力は腰にあり、その強さは腹の筋にある。 
17  尾は杉の木のように垂れ下がり、ももの筋は絡み合っている。 
18  骨は青銅の管、肋骨は鉄の棒のようだ。 
19  これは神の作品の第一のもの、これを造った者が、その剣でこれに近づく。 
20  山々はこの獣のために産物をもたらし、野の獣もみなそこで戯れる。 
21  蓮の下にそれは横たわる。葦の茂み、沼地の中で。 
22  蓮はこれをその陰でおおい、川の柳はこれを囲む。 
23  たとえ川があふれても、慌てない。ヨルダン川が口に注ぎ込んでも、動じない。 
24  その目をつかんで、これを捕らえられるか。罠にかけて、その鼻を突き通せるか。 

解説

ヨブ記は、イスラエル民族の父祖であるアブラハム(紀元前2千年頃)と同時代に生きたヨブを中心に展開する書です。

この箇所は、神が「河馬(カバ)」を例に取り上げて、すべてを知ったようにふるまうヨブを神が叱責する場面です。ただ、この箇所を読むと、どうもカバの説明にしてはおかしな点があります。17節には「尾は杉の木のように垂れ下がり」とありますが、カバの尾は杉の木のような立派なものではありません(写真参照)。

カバ
カバ

また、カバを「神の作品の第一のもの」(19節)と呼ぶのも、どうも違和感があります。

ここで「河馬」と訳されている言葉は、原語のヘブル語では「ベヘモット」です。ヘブル語辞書の「Brown-Driver-Briggs(BDB)」では、ベヘモットを次のように定義しています。

  1. おそらく絶滅した恐竜
    1a) ディプロドクスまたはブラキオサウルス、正確な意味は不明
    1) perhaps an extinct dinosaur
    1a) a Diplodocus or Brachiosaurus, exact meaning unknown

BDBは、ベヘモットの第一の意味を「おそらく絶滅した恐竜」としています。BDBはブラキオサウルスなどの草食の恐竜を例に挙げていますが、そう考えるとこの箇所の描写と合います。ブラキオサウルスは体長約25mで、数十トンという体重を支える体の「骨は青銅の管、肋骨は鉄の棒のようだ」と言われているのもうなづけます。

ブラキオサウルスの実寸大の模型
ブラキオサウルスの実寸大の模型

ハーバード大学で博士号を取得した古生物学者カート・ワイズ博士(Kurt Wise)も、この箇所について次のように語っています。

聖書で恐竜が描かれている可能性のある箇所が一つあります。それは、ヨブ記で神がヨブに説明したベヘモットです。ここでは、数節にわたって、その特徴や性質が記述されています。その記述は、今生きている生物には当てはまりません。ところが、竜脚類の恐竜、ブロントサウルス型の恐竜やアパトサウルス型の恐竜(訳注:ブラキオサウルスと同様の草食恐竜)の記述にはぴったり当てはまるのです。
― Answers in Genesis, “Dinosaurs & Dragon Legends: Enhanced edition (movie)” (The Creation Museum Collection) (https://answersingenesis.org/dinosaurs/dragon-legends/)

There is one possible place where the Bible describes a dinosaur. It would be Behemoth, described by God to Job in the Book of Job…
It’s got a description there, several verses, describing his attributes and characters. When you compare those descriptions with living organisms, it doesn’t fit. But it does fit the description of a sauropod dinosaur, brontosaur-type dinosaur and apatosaurus-type dinosaur.

この箇所が恐竜について語っているとすると、「神の作品の第一のもの」(19節)という説明も納得できます。

さらに興味深いのは、ベヘモットについて、神が「これはあなたと並べてわたしが造ったもの」(24節)と語っておられることです。つまり、恐竜は神が人間と共に創造したものと語られています。実際に、創世記では、人間と動物は創造の六日目に創造されたと言われています(創世記1:24~27)。聖書は、恐竜も人間であるあなたも、神の作品であると語っています。ぜひあなたの創造主である神のことばに耳を傾けてみてください。

参考資料

  • Commentary by Ray Comfort, The Evidence Bible, NKJV (Bridge Logos Foundation, 2011), p.700
  • 中川健一「Q.43 聖書に書かれている事が歴史的事実なら、何故恐竜についての記述が無いのでしょうか?」(聖書入門.com) (https://seishonyumon.com/movie/2572/)
  • 高原剛一郎「聖書が語る恐竜の謎 創造主はおられるシリーズ#12」(ごうちゃんねる) (https://www.youtube.com/watch?v=m8UlfqqagB0)

カバの写真:kanonn (CC BY-ND 2.0)
ブラキオサウルスの模型の写真:Jynus (CC BY-SA 4.0)

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創世記1:24~31 ― 人間と恐竜の共存(1)恐竜の絶滅は6600万年前? - クリスチャンコモンズ

[…] 冒頭の聖書箇所(創世記1:24、31)によると、地上の動物はすべて創造の6日目に造られたと言われています。6日目というのは、人間が創造されたのと同じ日です。つまり、人間は恐竜と共存していたことになります。これは現代人にとっては空想話のように聞こえるかもしれませんが、旧約聖書のヨブ記では、恐竜の描写と思われる記述があります(「ヨブ40:15~24 ― 聖書と恐竜(1)ベヘモット」「ヨブ41:1~34 ― 聖書と恐竜(2)レビヤタン」参照)。恐竜の化石も見つかっていない時代に、どうしてこのような恐竜に似た動物が描写されているのか不思議ですが、聖書の記述が真実であれば不思議ではありません。聖書の記述は、天地を造られた創造主がおられるという事実を示しています。 […]

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