ジョン・レイ(博物学者)「英国博物学の父」

ジョン・レイ

ジョン・レイ(John Ray、1627~1705年)は、英国の博物学者で、「英国博物学の父」とも呼ばれています。また「種(species)」という言葉を生物学的に定義した最初の人でもあります。カール・フォン・リンネの分類学に直接影響を与えた人物でもあります。ボイルとともに王立協会の創立メンバーの一人にもなっています。

レイは熱心なキリスト教徒であり、創造論者でもありました。自然の観察を通して神を知る「自然神学」に関する著作も、多く残しています。レイの自然神学に関する代表作に『創造のみわざに現れた神の知恵(The Wisdom of God Manifested in the Works of the Creation)』があります。レイは、デカルトなど当時の有神論的進化論者(神は進化を使って世界を作ったと主張する人々)を批判し、よく議論しました。

また、レイは自然発生説(生物が無生物から自然に発生するという考え方)に反対する論文を王立協会に書いています。この論文の中で、レイは自然発生説について次のように語っています。

私が観察し、確認したところ、自然界にそのようなものは存在しない。…(自然発生説は)人類や他の動物の起源に関する無神論者の空想が生み出したばかげた説明である。

My observation and affirmation is that there is no such thing in nature… the atheist’s fictitious and ridiculous account of the first production of mankind and other animals. 1

このように語り、自然発生説は神の天地創造を否定したい無神論者が考え出した空想であると結論付けています。

レイは、神の創造された被造物について次のように語っています。

神によって初めに創造された作品は、神によって、初めに創造されたのと同じ状態と条件で今日まで保たれている。

… the works created by God at first, and by Him conserved to this day in the same state and condition in which they were first made. 2

また、レイは次のような言葉も残しています。

自由人にとって、自然の美しい作品を観察し、神の限りない英知とすばらしさをたたえる職業ほど、価値があって楽しいものはない。

There is for a free man no occupation more worthy and delightful than to contemplate the beauteous works of nature and honor the infinite wisdom and goodness of God.3

参考資料

脚注

  1. Ann Lamont, “John Ray—Founder of Biology and Devout Christian,” *Answers In Genesis”

  2. Henry M. Morris, Men of Science, Men of God (Master Books, 1988)

  3. Dan Graves, Scientists of Faith (Kregel Publications, 1996), p.66

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