詩篇27:12 ― 偽りの証人

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詩篇27:12

12 私を敵の意のままにさせないでください。偽りの証人どもが私に向かい立ち 暴言を吐いているのです。

解説

この聖書箇所は、救い主の生涯を預言した「メシア預言」と呼ばれる預言の一つです。この預言が成就した場面が、マタイ26:60~68に記録されています。

60  多くの偽証人が出て来たが、証拠は得られなかった。しかし、最後に二人の者が進み出て、61  こう言った。「この人は、『わたしは神の神殿を壊して、それを三日で建て直すことができる』と言いました。」
62  そこで大祭司が立ち上がり、イエスに言った。「何も答えないのか。この人たちがおまえに不利な証言をしているのは、どういうことか。」
63  しかし、イエスは黙っておられた。そこで大祭司はイエスに言った。「私は生ける神によっておまえに命じる。おまえは神の子キリストなのか、答えよ。」 
64  イエスは彼に言われた。「あなたが言ったとおりです。しかし、わたしはあなたがたに言います。あなたがたは今から後に、人の子が力ある方の右の座に着き、そして天の雲とともに来るのを見ることになります。」 
65  すると、大祭司は自分の衣を引き裂いて言った。「この男は神を冒涜した。なぜこれ以上、証人が必要か。なんと、あなたがたは今、神を冒涜することばを聞いたのだ。 66  どう思うか。」すると彼らは「彼は死に値する」と答えた。 
67  それから彼らはイエスの顔に唾をかけ、拳で殴った。また、ある者たちはイエスを平手で打って、 68  「当ててみろ、キリスト。おまえを打ったのはだれだ」と言った。 

当時のユダヤ人の神学では、「神の子キリスト」は、神ご自身を指すという考えがありました。それで、大祭司はイエスがそのとおりだとお答えになった時に「この男は神を冒涜した」と非難したのです。人間が神を名乗ることは、当時のユダヤ人にとっては冒涜以外の何ものでもなかったからです。

ただ、大祭司たちが見過ごしていたのは、イエスは正真正銘の「神の子キリスト」だったということでした。そのことを証明するしるしや奇跡を行い、数多くのメシア預言を成就してもいましたが、大祭司と大祭司に付き従う人々は、その事実を受け入れませんでした。自分の地位や権力にしがみつくあまりに、目が閉ざされていたのです。そのため、不名誉な役回りを果たすことでこの預言の成就に貢献するという、皮肉な結果になりました。

時に、私たちも偽りの証人によって不利な立場に置かれることがあります。そのような時も、イエスはご自分も通られた道なので、私たちを励ますことができるのです。

参考:Commentary by Ray Comfort, The Evidence Bible, NKJV (Bridge Logos Foundation, 2011)

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