淵田 美津雄(旧帝国海軍パイロット。真珠湾攻撃総隊長)

淵田 美津雄

私は神を知らなかった。神を知らないで、神から離れている存在が不義であって、これを罪というのである。聖書的には、これを原罪と呼ぶ。英語では、「ザ・シン」と定冠詞がつく。あの罪、この罪というのではなくて、その罪だというわけである。そしてこの原罪があるので、あの罪、この罪といったような、いろいろな罪が派生して来る。これを「もろもろの罪」と呼ぶ。英語では「シンス」と複数のsがつく。…一般に人々は、この罪人だと呼ばれるのを嫌う。特に道徳的に行いの高い人ほど嫌う。けれども罪の意識が伴わなければ、イエス・キリストにある神信仰は芽生えない。それは、イエス・キリストが十字架で血を流して、「父よ、彼らをお赦しください」と、とりなしの祈りをしてくださったのは、この罪の贖いのためであった。これが十字架の贖罪であり、十字架の赦しである。

淵田美津雄『真珠湾攻撃総隊長の回想 淵田美津雄自叙伝』(講談社文庫)(Kindle 版)

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