マタイ24:1~2 ― 神殿崩壊の預言

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マタイ24:1~2

1  イエスが宮を出て行かれると、弟子たちが近寄って来て、イエスに向かって宮の建物を指し示した。 2  すると、イエスは弟子たちに言われた。「あなたがたはこれらの物すべてを見ているのですか。まことに、あなたがたに言います。ここで、どの石も崩されずに、ほかの石の上に残ることは決してありません。」 

解説

この預言は、紀元30年頃にイエスが語ったものです。ここで言われている「宮」というのは、エルサレムにあるユダヤ神殿のことです。この預言は、第一次ユダヤ戦争(紀元66~73年)中の紀元70年に、ローマ軍がエルサレムを包囲し、陥落させた時に成就しました。ユダヤ人史家のヨセフスによると、この時に110万人のユダヤ人が命を落としたと言われています。

この預言が成就した経緯は次の通りです。エルサレムを包囲したローマ軍は、エルサレムに火を放ち、町中を火の海にします。この時、神殿も火災で焼失し、神殿の中に保管されていた大量の銀や金が溶け、神殿の土台となっている石の間に流れ出ました。火災が収まった後、ローマ兵は石をすべて切り崩して金銀を回収しました。このようにして、イエスの「どの石も崩されずに、ほかの石の上に残ることは決してありません」という預言が文字通り成就したのです。

この悲劇を目撃したヨセフスは、著書の『ユダヤ戦記』で次のように記しています。

敵の手によって聖なる都が破壊され、聖なる神殿の土台がこのような冒涜的な方法で掘り起こされるのを見るぐらいだったら、その前に私たち全員が死んでいればよかったのに、と思わずにはいられなかった。
― Josephus, The Wars of the Jews, Book VII, Chapter 8

I cannot but wish that we had all died before we had seen that holy city demolished by the hands of our enemies, or the foundations of our holy temple dug up after so profane a manner.

イエスの神殿崩壊の預言は、40年後に成就しました。イエスの預言はそれだけではありません。イエスは、終末時代と呼ばれるずっと後の時代のことも預言しています。その預言の内容を見ると、今私たちが生きている時代について語っているとわかります。この預言についても、聖書ニュース.com「今はどういう時代か ― 時のしるしを見分ける」で確認してみてください。

参考資料

Ray Coning and George Coning, 100 Fulfilled Bible Prophecies, 4th Revised Edition (Zealization Publishing House, 2022)

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