エゼキエル26:7~9 ― バビロンのツロ侵攻

ツロの地図

エゼキエル26:7~9

7 まことに、【神】である主はこう言われる。「見よ。わたしは、王の王、バビロンの王ネブカドネツァルを、馬、戦車、騎兵、そして大軍勢とともに、北からツロに連れて来る。 8  彼はその沿岸側の町々を剣で滅ぼし、おまえに向かって塁を築き、城壁崩しを設け、大盾を立て、 9  破城槌でおまえの城壁を突き崩し、やぐらを斧で打ち壊す。

解説

古代の地中海に君臨した都市国家ツロの没落を決定的にしたのは、新バビロニア帝国のネブカドネツァル王による侵攻でした。

MEMO
ツロについて、詳しくは「ゼカリヤ9:3~4 ー ツロ没落の預言」を参照してください。

エゼキエル26:7~9の預言は、紀元前586年に語られたものです(エゼキエル26:1)。ネブカドネツァル王がツロを攻略する1年前のことです。

ネブカドネツァル王は、紀元前585年から13年間、ツロを包囲しました。ツロは、海岸沿いにある都市と、沖合の島にある都市の2つに分かれていました。バビロニア軍に包囲されている間、ツロの住民は財産のほとんどを島側のツロに移し、籠城します。ネブカドネツァル王は海岸側のツロは占領したものの、要塞都市である島側のツロは制圧できず、バビロンに帰還します(エゼキエル29:18参照)。しかし、この戦争で弱体化したツロは、バビロニアの宗主権を認め、ツロの主権は失われることになりました。

この預言では、バビロンの王ネブカドネツァルは「沿岸側の町々」を滅ぼすと言われていますが、島側のツロには言及されていません。この預言どおりに、沿岸側のツロは陥落し、島側のツロのみが残りました。

参考資料

ツロの画像:Hebrew Nation

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