ローマ人が、あるラビの所に来て言いました。「あなた方は、よく神の話をするけれども、その神はいったいどこにいるのか。一度、見せて欲しいものだね。そうしたら、私もあなたの言う神を信じてみてもいいんだが…」
ローマ人の意地悪い質問に対して、ラビは顔を落としてしばらく沈黙しました。ラビはローマ人の顔を見て「あなたの質問に答えたいと思います。外へ出てみましょう」と促しました。外は雲一つない晴天です。
ラビは太陽を指差してローマ人に言いました。「あの太陽を数分間じっと見てください」。
チラッと太陽を見てローマ人は「そんなことできるはずがないだろう」と不快をあらわにしました。「もし、あなたが神の創造された多くの被造物の中の一つにすぎない太陽ですらまともに見ることができないのならば、どうしてその創造主である偉大な神を一目でも見ることができるでしょうか」
『デボーションガイド【Clay】』(ハーベスト・タイム)より